令和4年第1回米原市定例議会について考えてみた

2022年2月24日から3月23日にわたって令和4年第1回米原市定例議会が開催され、代表質問・一般質問は伊吹山テレビを録画・後日見返して、委員会を都合が付いた1日だけ傍聴した内容を踏まえて考えてみました。

主な日程は、本会議開会:2月24日、代表質問:3月1日、3会派代表から、一般質問:3月2,3日、10名の議員から、委員会:3月7日~22日、本会議閉会:3月23日、でした。

元々の日程以外に臨時に本会議が3月10日に開催され、「ロシア連邦によるウクライナへの軍事侵攻を批難する決議案」が全会一致で可決されています。21世紀になってこのような事態になること自体信じられませんが、紛れもない事実であり、毅然たる態度を表明された議会・議員の方々に敬意を表します。ありがとうございました。下は伊吹山テレビ2022年3月18日号の6分56秒あたりからの映像で、最年少議員によるスピーチは米原の未来にとって頼もしい限りです。私も一日も早く終結することを個人的に祈念し、寄付等の行動をしています。

さて今回も質問内容を分類して、そこから傾向や私の視点も踏まえて考察してみました。分類の「子育て」「教育」「健康福祉」「地域振興」「行政議会」は、毎度毎度ですが私が選挙時に使用していた分類です。

カテゴリー質問者項目数子育て教育健康福祉地域振興行政議会その他
4103112052
代表質問あ氏6001410
代表質問い氏5003020
代表質問う氏5011210
一般質問え氏2001100
一般質問お氏2000110
一般質問か氏2000101
一般質問き氏4001300
一般質問く氏3001200
一般質問け氏4011200
一般質問こ氏2010001
一般質問さ氏2001100
一般質問し氏2000200
一般質問す氏2001100
各項目別小項目(カッコ内数字は重複数) 「教育」:保育(2)、「健康福祉」:COVID-19(5)・働き方(3)・介護(2)・福祉、「地域振興」:IT(4)・融雪除雪(3)・施設管理(3)・公共交通(2)・環境(2)・人口・米原駅東口・観光・道の駅・文化財・有害鳥獣、「行政議会」:予算財政(2)・方針構想(2)・条例、「その他」:県取組み事項・平和

今回は3会派の代表質問:計3名、一般質問13名の合計15名が質問されました。2名の方が何らかの事情で質問なしでしたが、個人的には質問する権利を行使して欲しかったと思っています。

質問項目の傾向として、今回「子育て」に関して全く質問が無かったことに驚きました。米原市は「子育て滋賀県一」を目指しており、実際様々な施策が実行されている事は、子育て真最中の私も実感しています。うまく機能しているから、住民の皆さんが満足されているから、質問がない、との解釈なのでしょうか?

「子育て」に関しては、「乳幼児期に必要なオムツやミルク代などの負担に関する補助制度」を選挙公約の一つにしました。私の場合、双子+2歳差の下の子:計3人同時でしたので、強く感じたのかも知れませんが、就業・雇用環境やひとりで子育てをされておられる方々など経済的に厳しい方や、2人目3人目を考えられている方々向けに、まだまだ市の姿勢・方針を問う事は可能と思います。

次に複数者が質問した項目は、相変わらずのCOVID-19関連が5名、IT関連が4名、市役所や教師の働き方・この冬の豪雪を反映した融雪・除雪関連・市所有施設の管理関連がそれぞれ3名、保育・介護・公共交通・観光及び予算策定時期特有の予算財政とその背景にある方針構想がそれぞれ2名、でした。長年の課題である「人口減少」に関する質問は1名のみでした。

この中で川嶋目線でピックアップしたいのは、① 4名を方が取り上げられた「IT関連」と、② 方針構想の「米原駅東口構想」に関してです。

「IT関連」の詳細は、DX・学校でのタブレット・災害情報伝達・ICTで、これ以外に予算全般に関する代表質問の中でもDXに関しての質問もありました。DX:デジタルトランスフォーメーションは、現在注目度が上がっている単語で、行政向けには「自治体DX」と分類されていて、総務省もHPで以下のように「自治体DXの推進」を掲げています。

総務省|自治体DXの推進

米原市でも副市長と全部長をメンバーとした「DX推進チーム」立ち上がって、「市役所に来なくても窓口手続き等できる。必要書類デジタル化、職員の時短やオンライン会議、マイナンバーカード利用拡大、自治会向け双方向システム」などを実行する検討が開始されている答弁がありました。

私は1986年に社会人になって以来、システムエンジニアや半導体のエンジニアなどを経験し、その後在籍していた会社の多くを「半導体産業」で過ごしてきたのですが、「半導体産業」は全てがデジタル化された産業で、製造工程は全てオンライン化されデータ・エビデンスに基づいた管理をしないと成立しません。90年代には既に工場の装置はIoT化され、日々データ解析結果を工程に反映して良品を生産し続ける環境を構築し続けてきました。また当時から海外とは電子メールのやり取りが普通でした。

ここで最も重要なのは、『今まで紙またはエクセルでやっていた帳票と全く同じ体裁・内容をIT化(DX)すること』ではなく、『業務の流れや目的を棚卸し、その目的を達成及び評価するために必要なデータをどこで入手するのかまで考えた要件定義した上でシステム化し、得られたデータを客観的分析をすることで、次に生かしていく』ことです。それが将にサスティナブル:持続可能な状態なのです。

そのあたりまで考えて投資できるか、表面上のIT化(旧来と同じ体裁・内容の自動化)だけを行うのかで、数年後・5年後・10年後の未来は大きく変わって来ますので、市のDX推進チームとも意見交換を今後していきたいと思っております。

次に「米原駅東口構想」に関してです。

この項目は2022年1月27日付けの「米原市議会 令和3年第4回定例議会について考えてみた」でも取り上げたのですが、今回も取り上げる理由は代表質問の返答で、民間主導の一般社団法人米原駅東口街づくり協議会において、計画を大幅に見直しし、高層住居を含めて新幹線停車駅にふさわしい施設、第1期は地域DX拠点、第2期はホテルを計画。第1期の地域DXの詳細は、みずほ銀行官民DX連携活動拠点、飲食・事務所機能も入れ、令和5年春プレオープンに向けてテナント募集。との答弁があったからです。

ここでのポイントは、宿場まち構想が頓挫したから今度は高層住宅や地域DX、でも必ず付く言葉は「新幹線停車駅にふさわしい施設」。それが「協議会」と言っても下のホームページを見ても、どのようなメンバーで、何を考えて、どんな思いで、何を目指して、米原のために、何をしようとしているのか。市の事業計画である「米原基本構想」との関係性、どこを実現しようとしているのか。「サスティナブルな」と掲げながら「どこがサスティナブル=持続可能なのか、全く理解できない」点です。(少なくとも私にはホームページを読んでも、できませんでした)

https://maibara-ekimae.jp/

そんなコロコロ方針が変わり、実態も明らかでない計画は「全面見直し」(ほぼ白紙撤回ですが)、それが私の選挙公約でした。

今回の答弁で「高層住宅」と「地域DX」が出てきたのは驚きです。確かに駅前の高層住宅は入居者があるでしょう。でもそれは昭和時代の高度経済成長時代の考え方で、一時的に人口が増えるだけです。地域DXに至っては「誰のためのDX」なのでしょうか? 住民のため? 旅行者のため? 全くメリットを想像できないのです。自治体DX同様「DX」とうたっていればなんかすごいことをやってそう、みたいな発想なら、「DX」の意味を理解していないのでは、と思ってしまいます。

米原駅は日本の大動脈の一つである東海道山陽新幹線の停車駅です。乗り換えが主な機能だったこれまでから、「何度も何度も繰り返し訪問して頂ける『リピーター』を獲得する夢のある未来を持つ機能へ転換していくことが必要です。ここで重要なことは、目先や単独の目的ではなく、長期的有機的客観的視点で、ここに住む住民もここを訪れた方々(訪れたい方々)もメリットを享受する機能だと、私は思います。

米原駅東口街づくり協議会任せではなく、今後様々な方々のご意見を頂戴して自ら提案活動をして行きます。

『米原駅東口の○○、むっちゃええなぁ。何回も行きたいわ。』『そやろ、街の自慢やで~、もっともっと来て』『米原に住んでるなんで羨ましいわ。引っ越ししようかな』『おいでおいで。駅前だけちごて、子育てし易く、住んでいる皆さんもとても温かい方ばかりで、自然豊かやし、是非!』

そんな会話が飛び交うことを夢見ています。。そんな遠くない未来に。。

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